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以 前は山スキーと言えども電子機器を持ち上げることなどほどんどなかった。全体的に器具は重く、できるかぎりの軽量化を図るのがセオリーだったからだ。しかし周辺ギアも、以前と比べてずいぶん軽くなり、その分他のものを持ち上げる余裕も生まれてきている。スノーボーディングがエクストリームの分野に足を染めて行く課程で、日本の山スキーもその影響を大きく受けた。今や ゾンデ(英語ではプローブ)やビーコンを必須装備にすることはごく当たり前になった。
冬山の危険と言えば、やはり雪崩による事故であろう。しかしそれを予知し、予防するのは実に難しい。
厳冬期の北アに一度でも入った者なら理解できるだろうが、そうした危険地帯を通過しなければ先に進めない場合はよくあることだ。いわば危険の巣の中、地雷の中をすり抜けるような、冬山とはそんなものである。がしかしだからと言って無神経な対応はできない。万が一のことを想定し、その準備は当然のことだが怠ってはならない。死ぬのは自分だが、その後片づけは他人がしなくてはならないことを忘れてはならない。
現在言われる冬山の「三種の神器」とは、前述のプローブ、ビーコン、そしてスコップである。
これら道具は通常よく使うものではない。だいたいがザックの中に収納し、そのまま下山してくるというのが普通である。だからこそ、道具の使い方については練習を含めてよく覚えておくことが必要だ。雪崩に埋まった者の救出には1分1秒を争うと言うのに、使い方にまごついて救出が遅れたでは話にならないどころか、それはすでに殺人行為である。
ビーコンとは富山県警が冬期剱岳入山で配っている「ヤマタン(これは送信専用)」と同じ電波の送受信機だ。このおかげで万が一雪崩に被災しても、他の仲間が埋まっていない限りその場で即探知捜索活動が可能である。またビーコンの電波周波数はどれも同じなため、他メーカー機種同士でも問題なく使える。
最近ではスコップやプローブを持ってなくても、ビーコンだけは持っているという人も増えた。が、後述するがビーコンやプローブ、スコップは三者一体のもの。 山岳スノーボーディングであれば、どれが欠けていても用を成さないので注意したい。
周りに持っている者がいない場合、次の点をチェックして購入の目安にしてほしい。
1) あまり機能的(やたらスイッチが多かったり、モードが多かったりするもの)ではないものがいい。
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複雑だとパニクっているときには使えない恐れがある。 |
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2) 送受信の切替え、特に受信モードから送信モードへの切替えが容易かどうか。
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これは被災者の捜索中に二次災害が起きてしまった場合、とっさに受信モードから送信モードに切替えができないとピンチである。
国産の「アルペン1500ビーコン」は一定時間経過すると、受信モードから送信モードに自動的に切り替わる。万が一の際のモードスイッチの切り替えは不要である。 |
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3) 受信モードでの探知音が大きいもの。うるさいと思うくらいがいい。
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実祭雪山で慣らすと意外にも音は小さい。風の音や雪じたいが吸音するので、部屋の中で聞くレベルとは雲泥の差がある。音は大きければ大きいほどいいだろう(鼓膜が破れるほど大きいものは実際にはありませんがね)。 |
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4) 感知ランプの付いているもの。
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機器はやはり壊れることもある。音だけだとスピーカーが壊れたりすると探知不能になる。スピーカーは機器の構造的に弱く思える。が、最近の機種は、すべて音とLEDなどのランプで確認するものばかりだ。 |
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5) 防水性。たいていイヤホン端子などが装備されているが、ちゃんと防水パッキンが入っているか、使わないときの閉じ蓋があるか。電池蓋にも防水パッキンが入っているかなどをチェックしたい。
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ちなみに「m-1」のイヤホン端子の周りには防水コーキングされているのに、お粗末にもイヤホン端子は穴の開いたまま。これでは防水コーキングの意味が無い(笑)。また電池入れにも防水パッキンは無い。登高中に装着しておくのが普通だが、汗でディスプレイが曇ってしまった・・・・。
動作に支障は起きていないが、防水面ではかなりショボイ造りであることがわかる。(後から聞いた話だが、これはビーコンをアウターの中に入れていたからで、通常ビーコンはアウターの上、外に露出させて携行するそうだ。しかしそれにしても曇りが起きるなど、ちとショボイ。春山の雨天山行などでは最悪壊れてしまうのではなかろうか。)
追記になるが、数年前に立山大日山で起きた雪屁崩壊事故では、人命救出はならなかったものの、ビーコンを装着していたために遺体の場所はあらかじめ特定されていた。雪が消えつつある春に遺体収容になったのだが、他の遭難者のビーコンは遭難後すぐに反応が消えた中で、国産のアルペン1500ビーコンだけはかなり長期に渡って信号を発していたという。これは電池にリチウム電池を使っているからだ。そういう意味ではかなり使える機種である(通常のビーコンではリチウム電池は使わない方がよい。これはリチウム電池の特性で、電圧低下が急激で受信信号の読み取りに悪影響を及ぼす危険性があるためだ。アルペンビーコンはその辺りにはちゃんと対処している)。 |
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