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谷を歩いてときどき思うことがある。「林道さえ無ければよい谷だったろうに・・・」と。
尾上郷川は現在でも延々と林道工事が続いている。平日は狭い林道を我が物顔でダンプカーが豪走し、もたもた歩いていると容赦なくクラクションが鳴らされる。手元の二万五千分の一地形図を開いてもわかるとおり、張り巡らされた林道はまさに縦横無尽の網の目である。
日本の山岳はこうした林道の開発によってことごとく破壊の限りを尽くされている。これだけ自然保護が謳われても、世間から見えないところでは、着々と破壊行為が行われている。その現認者としての責任は計らずとも重いと自覚する。
奥丸山谷は、古い文献では岐阜の山岳家が足跡を残している。下流域の連続する直瀑は景観がすばらしく、上部に別山谷林道が走らなければ秘境の、名滝として尾上郷川に君臨したかもしれない。落ちるビニールシート、空き缶の数々を見るにして、谷の悲痛な叫びが聞こえて来るような思いをがする。しかし谷はこのように変貌しても、50ROUTE
リストから外せない凄さがある。谷は短い、ぶらっと覗きに行く価値は十分に存在する。
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