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御母衣ダムの脇を走る国道沿いに、御母衣第二発電所がある。その発電所の両岸は、時折ここで下車してその景観に見とれるドライバーもいるほど 圧倒的な屹立壁 になっている。福島谷はこの発電所から入渓するが、発電所内は立ち入り禁止なので、水線通りに溯行を開始することになる。
北俣谷を右に分け、すぐに福島谷は直角に折れ曲がる。いままでの沢幅はここで急に狭くなり、序盤は平流の谷が続く。が、途中から大小の滝がリズムよく現れ、果敢に直登を試みられるので面白い。水量によってはなかなか通過に手間取りそうな気配の滝もあり、意外にや見せ場はたっぷりあるので充実度は高い。
谷の中間部にこの谷最大の 大滝 が現れる。青空のもと豊富な水量を落とす水の帯が眩しくて目を細める。右岸から簡単に捲き上がるとなにやらあちこちに工事の残骸が転がるようになる。
二万五千分の一地形図の標高1246m地点には コンクリートで建造された取水口 があり唖然とさせられるだろう。下流に転がっていた工事の残骸とは、この取水口を作った時に放置された工事のゴミであった。
取水口の上は途端に平流となり、その水線がそのまま稜線に向かっているように思える。われわれは日帰り溯行であったため、標高1350二又から支流を右につめ、そこから右岸尾根を乗っ越して下流1150mから左に別れる支流へ下降する周遊ルートを取った。
晩秋の溯行は日暮れが早い。北俣谷との出合に着く頃には太陽は山の裏側に沈んでしまい、いつしか吐息も白くなっていた。
追記になるが、標高950m二又から注ぐ 右岸支流 は登攀色の強い、傾斜のきつい谷。中流部からは一転平流とはなるが、そこまでには 幾つかの瀑が控え、登攀趣向を持つ溯行者にとってはそれなりに楽しめる谷だ。
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