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カシミール3D連動地図です [ 詳細 ]
オバタキ(大畠)谷、フカバラ谷、卜(うら)谷と、境川一帯は実に変わった谷名が多い。この不思議な名前に魅せられて、いつしかこれら谷は記憶の奥底に植え付けられてしまっていた。そしてこのボージョ谷もこの不思議な谷名のひとつ。「ボージョ」とはいったい何を指す言葉なのだろう。

フカバラ谷から溯行すること一時間余り、出合から威圧的なゴルジュ地形で始まるボージョ谷は、僕が知る限り70年代前半に大阪わらじの会によってその内容が明らかにされたようだ。

"溯行のむずかしさは群を抜く"と記録されているように、白山系の中でもこの境川一帯は異色の剣谷地帯。その中でもこのボージョ谷は、また素晴らしい渓相を備えていた。

ボージョ谷の切れ込みは例に漏れず深いが、フカバラ谷のそれとはまた違った味を持つ。どれも落差のある滝が数多く、そのほとんどは捲きを強いられる。が、だからと言って溯行の充実度が半減することはない。また立ち上がった岩壁と白煙をあげる巨瀑の咆哮は、己の精神の奥底まで響きわたる。この壮絶な景観は訪れる者たちだけに与えられる、そして限りなくピュアな自然からの贈り物でもある。高鳴る鼓動を感じる時というのは、まさにこの瞬間かもしれない、大滝を見上げながらそう思った。
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