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50 のルートを挙げるために、丸岡谷を無理矢理選りすぐったと思われたら心外だ。取り上げるには幾つかの、自分なりのルールはちゃんとある。丸岡谷は、そのルールに該当した谷のひとつ。
白山湯ノ谷は遡ること大正時代に、大雨による土石流災害が起きて下流の村々が壊滅的打撃を受けた。この災害によって、市ノ瀬など下流の村落がすべて離村してしまい、ほとんどの人が白峰へと移り住んだ。市ノ瀬はその災害時の土砂によって、標高が10mも高くなってしまったというから、自然の力には驚くばかりである。
その湯ノ谷の右岸支流に、この丸岡谷がある。谷はゴーロ谷を思わせる大岩と堰堤越えから始まり、急角度に源流へと向かっている。大滝 を超えた上でやっと傾斜も緩くなり、谷幅もぐっと狭まってくる。ここまでは典型的なゴーロ様相の谷である。
源流二又は左に入ろう。すると、景色は一変して素晴らしい高山的雰囲気に辺りは包まれる。谷は右へ左へと緩く蛇行して続き、その周囲には丘陵のような地形が続き、時期を誤らなければ絶景のお花畑がここで愉しめる。
白山の谷は数あれど、身近にこれだけの規模のお花畑を望めるところは希少である。高台の砂礫の上で腰を下ろし、時の過ぎゆくままにこの景色を眺めるというのは、この忙しない今においてはまったく贅沢な話だ。
つめ上がるピークの白山釈迦岳は、南方が開けており標注まで建つが、三角点のある方のピーク は今も藪の中。しかし最近はその存在を知って訪れる者も多く、とうとう三角点に切り開きもできてしまった。
また下山ルートとなる釈迦新道の途中からは、登った丸岡谷左又が俯瞰できる。 さらに登山道下部水場付近のブナ林は圧巻だ。ここには千振尾根のブナ林とは甲乙付けがたい神秘的な原生の森が広がっている。
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