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どこの山岳にもその山域を代表する谷というものがあるものだ。
この岩屋俣谷別山谷は、白山を代表する秀渓の一つ。白山に訪れるなら、是非とも遡行計画を立ててみてほしい。
白山御前峰の南に位置する別山は、標高2,399.4mのなだらかな山容を持つ白山連峰の一角。
周囲には遮る稜も峰も無く、白山本峰方面の眺望は元より、北アルプスや乗鞍岳、御岳などの眺めも抜群である。ここからは富士山も見えると言うが、その話はほんとかどうか。
別山谷はこの雄大な別山から注ぐ谷。隣の井谷(いのたに)と共に、実に"沢らしい"渓相を持っている。また谷が西向きなので谷中はいつでも明るく、陰気な空気は何ひとつ無い。秋口は森林限界手前の紅葉ラインがことさら素晴らしく、谷中一泊のゆったりプランで歩けば、溯行の楽しみも倍加するというもの。
近年下界での生活時間との戦いばかりでゆっくりできる溯行がめっきり減ってしまった。「山には下界のいっさいを持ち込まず」と言いながら、まるでせっせと働くサラリーマンのごとき溯行をしてしまっている。まったく情けねェ。そんな溯行の行き着く先は見えている。早くなんとかしなくては。
行程中には登攀となるような部分は少ないが、谷は長く、小滝数も意外に多いので時間はどんどん消費する。日帰りの場合は沢中で悠長に遊んではいられないだろう。
また別山からの下りルートである千振尾根も典型的な"バカ尾根"であり、溯行で疲れた足にはまさにシゴキ。しかしその洗礼は是非受けてほしいものだが(笑)。
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