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平凡な大杉谷渓谷の中にあって、一際輝きを魅せるのがこのハチブセだ。
ハチブセとは、山岳名の歴史から考えると、きっと「鉢伏」からきたものだろう。他県にも鉢伏山という名の山は多く、だいたいがそのこんもりとした、まるで椀を伏せたような山容からつけられている場合が多い。
ハチブセの源流はナナコバ山という山であるが、山の裏側からは「ハチブセ山」(鉢伏山)と呼んでいたのかも知れない。しかしまた、この"ナナコバ"という名もまた不思議な名前である(七つの木場か?)。確かにこの山の場合、ナナコバ谷という谷が流れており、谷名と山名の関係ははっきりしているが。
小振りながらも滝が連続し、その始末に暇がない。登れそうな滝は果敢に登攀を挑みたい。今回は遡行目的のため第二二又を右に入ったが、左又には60m級の大きな瀑が懸かり、これだけは心残り(07年登攀済)。
平流となった源流からナナコバ山へつめ上がり、ここから西向きとなった明るいナナコバ谷を下降する。ほとんど入渓する者がいないためか、終始静かな山旅を味わえるはずだ。
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