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この谷も 瀬波川 流域の例にもれず、支流ながらもいい谷である。小滝(ほとんどが美しいナメの斜瀑)の連瀑が源流部まで続き、溯下降どちらをとっても楽しめる谷だ。"小気味な"という形容詞がこの谷にはぴったりくる。また意外にも滝群の距離が長く、けっこう遡行時間が費やされる。しかしそれはそれでまた溯行者にとっては美味しいことだろう。
溯行の楽しみのひとつに下降のルート取りがあげられる。どの谷を下るかで、溯行した谷の印象も大きく左右されるからだ。地図を広げ、あれこれと下降の谷を探ることは、溯行する前のいちばんの楽しみである。下降した谷が、これまた素晴らしい渓相を持っていたら、なんだか得をしたような気分になってしまうのは私だけではなかろう。しかし、逆にその谷が意外にも厳しく険しく、たびたびの懸垂を強いられるなんてことになると、今度は楽しんではいられない様相を帯びてくる。
今回黒谷は、その 一本下流の大ザクレ から入渓して下降路として使った。大ザクレは出合に立つ 二段50m を捲くと中間にCS滝があり、この滝の通過がポイントとになり面白い。またその上流標高1100mから黒谷へと低くなった尾根を乗っ越し、容易に黒谷本流に到達するこができるので周遊コースも組みやすい。滝数は圧倒的に黒谷の方が多く、そして遙かに美渓である。
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