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白山山系北部に位置する瀬波川。本流(右又)の源は白山山系北部の大笠山に延びる。
中流部右又をチョーゲージ谷、左又は北谷と呼ぶ。
瀬波川下流部には大滝はこそ無いものの、長大な流程と各支流から注ぎ込む豊富な水量によって、徒渉における難易度は場合によってはかなりの差が出る。降雨後、あるいは雨天中の溯行はかなり困難を極めるのは必至である。
右又を入ったところに、この谷唯一の滝らしい滝である「因果ノ滝(画像左)」が懸かるが、ここはまったく通過に手間取ることはない。
源流部に入ると谷は極端なV字となり、下流部の静閑な趣を一転させる。次第に手こずる小滝も多くなり、部分的にはロープも延ばすことになるだろう。
つめは山頂を目指すより、やや左に振って稜線を目指した方が藪は薄い。
山頂からは白山北方の山々が一望でき、中でも雄峰笈ヶ岳(オイズルガタケ)はピラミダルな山容を堂々と稜線上に突き上がらせて息を飲む。
日本百名山の著者で、石川県大聖寺生まれの深田久弥(フカダ・キュウヤ1903-1971)は、笈ヶ岳に深い憧憬を抱いていた。笈ヶ岳は彼の故郷石川県に属する山であり、山好きの彼がこの威風堂々とした山容に魅せられことは、容易に察せられる。この山には確かに深田の言うところの"品格"がある。
彼は日本百名山の執筆後、この笈ヶ岳を日本百名山に入れられなかったことを悔やんでこう書いている。「これはわたしのふるさとの山としての身贔屓ばかりでなく、こんな隠れた立派な山があることを世に吹聴したかった」と。
下山は富山県側「桂湖(カツラコ)」へ行くルートが一番近いが、車の手配が困難。無論ここには交通機関も無い。
他のルートとして、大笠山から奈良岳に縦走し、直海谷(ノミダニ)林道に行くルートもあるが、こちらも最短集落まで長い林道歩きを強いられる。
自家用車ならアプローチは容易だ。現在名神高速から分岐する東海北陸道が飛騨清見まで完成、北からは北陸自動車道の小矢部砺波JCから五箇山まで開通している。これら高速網を利用すれば多彩な周遊ルートを設定できると思う。が、幽寂の山々や谷々がこうして文明の斧によって切り崩されている様を見ていると、のんびりルートファインディングなどしていられない気分にもなる。心境は複雑だ。
大笠山に登ろうと出かけたとある日曜の朝、小矢部砺波JCから東海北陸道を南進したが、行き交う車は休日であるのに自分の車一台だけだった。ほんとうにこのような高規格路線が必要なのか考えさせられた。
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