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今回は「切り上げタイプ」フェルト(以下切りフェルト)を使って説明する。板フェルトでも要領は同じ。
まず靴の古いフェルトを剥がす前に、切りフェルトの下地処理をしておく。
実はこれ、長年貼替えを行ってきた中で編み出したオリジナルな方法で、この下地処理を行うとガッチリ接着されることがわかった。この方法で接着するようにしてから、遡行中に剥がれるなどの心配は皆無になった。
切りフェルトはそのままだと起毛したままなので、このまま貼るとボンドが中まで浸透せず、接着が弱くなる可能性がある。下地処理はこの起毛を押さえ、またさらにあらかじめボンドを塗っておくことでボンド同士の接着を強化させる意味がある。
切りフェルトにボンドを塗る。塗る道具は菓子箱などの厚紙など、簡単なもの。専用道具など要らない。これでまんべんなく塗り広げる。
厚く塗る必要はぜんぜん無いが、ムラが起きないよう薄くなった部分には再度塗るといい。画像はダメな例(汗)。
手へのべたつきが無くなったら(半乾き位)、ボンドを塗った面を手の平部分でよく押しつけるか、ハンマーを使って表面を軽く叩く。これはボンドを塗った面をできるだけ平滑にするため。接着したときにできるだけ完全に接着するための処理なので手抜きは厳禁だ。よく見るとフェルト表面はまだ起毛しているはず。下画像は平滑にする前とその後のフェルト表面の画像。
これで更に3〜4時間から一日くらいはこのままにして完全乾燥させる。
さて、いよいよ靴から古いフェルトを剥がしてみる。
経験的に、一度貼替え経験がある靴は案外剥がしやすい。またメーカーでは「秀山荘」、「キャラバン・渓流」、「アクシーズクイン」は剥がしやすく、他のメーカーはかなりしぶとい。これは接着に使われている接着剤の違いからか。
皮の手袋を装着します。軍手ではマメができますよ。ペンチの横を使ってかかと側からフェルトをつまんで、クッション部分から剥がしてみよう。
少しでも剥がれ出したらそこから慌てずにジワジワとペンチでつまんで剥がしてゆく。
しかしこれでもなかなか剥がれない場合は、フェルトとクッションの間にカッターで切れ込みを少し入れて、そこをきっかけとして開いてゆくといいだろう。しかしくれぐれも慎重に…。
またどうしてもかかと側からはダメな場合は、爪先側から剥がしてもよい。このあたりは臨機応変に(下右上画像)。
画像のように剥がれるきっかけができればあとは早い。しかしここも慎重にコマを進めないと失敗する。フェルトの横側(画像下右)をペンチでつまみ、右側、左側と交互に5mmくらいづつゆっくり剥がしてゆくといい。下画像右の、剥がしたフェルトのペンチ痕を見てほしい。横に平行してペンチ跡が残っているのがわかると思う。
土踏まずあたりから面積が広くなり、剥がす行程もだんだん難しくなってくる。またかなりの腕力(握力)を使うので、休みながら行うといい。一足剥がすのに20分近くかかったこともざらにあるので、ここは絶対に焦らないことだ。
土踏まずあたりからだが、クッションが剥がしたフェルトにくっついてくる場合がある。多少なら問題ないが、よく見て大きなくっつきならカッターを使って横切れ込みを入れてやる。この場合、クッション側に切れ込みを入れるのではなく、あくまでフェルト側に入れるのがミソ。
初めてのフェルト貼替えの場合、このような地道な作業を行う事が多い。しかしこれが当たり前と思って途中であきらめず、最後まで神経を集中して行うといい。万が一ザックリえぐれてしまったら、その部分をフェルトから綺麗に切り取り、ボンドで埋め込むとよい(下画像矢印)。
慣れた僕でも、剥がした表面はこんな感じである(下画像)。でもこれでまったく問題なし。できるだけデコボコにならない方がいいのだが、そうは言ってもそうならないのだから仕方ない。
余談だが、フェルト貼替えの解説本では、「クッション側に残ったボンド跡を綺麗に紙ヤスリで…」とあるが、そんなもんは無視。上画像のように、僕の場合はほとんど何もしないで貼り合わせている。今までこうしてきたが、これによる問題は一度も起きてない。
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